壁に二つの時計が掛かっている。一つは新しく、一つは古い。

新しい時計はいつも十分進んでいる。

古い時計の針は十時十分で止まったままだ。

毎朝、主人は新しい時計をちらっと見て、あわてて出かけていく。

毎晩、彼は古い時計の前で足を止めて、長いあいだ見つめる。

古い時計は、新しい時計が毎日走り続けても一度も時間が合わないのを見て、助けてやろうと思った。

「そんなことして、何になるんだい」古い時計は言った。「見てごらん。私は一日に二回も合うし、主人は毎晩ここで足を止めてくれる。」

新しい時計はそれを聞いて考え込み、自分はだめなやつだと思うようになった。主人は一度も足を止めて、ちゃんと自分を見てくれたことがなかった。

そこで、新しい時計は勇気を出して古い時計に聞いた。「先輩、どうすればいいですか。」

古い時計はしみじみと言った。「若いの、動かなければいいんだよ。時間はいつか必ずこっちに追いついてくる。辛抱していれば、おまえにもできる。」

次の日の朝、新しい時計は決心して、止まった。

十分後、本当の時間がついにそれに追いついた。

時計人生で初めて、時間どおりの味を知った。

新しい時計は、古い時計に相談したのは自分が今までした中で一番いい決断だったと思った。

古い時計も、心からそれを喜んだ。

その朝、主人はいつものように新しい時計をちらっと見て、まだ早いと思って、結局遅刻した。

家に帰ると、彼は新しい時計を外し、また十分進めて、もとの場所に掛け直した。

古い時計については、主人はついでに、上のほこりを拭いただけだった。

他の絵を拭くときと同じように。